「登り方は自由!」な組織が理想。

人間関係のストレスなく、個々人がそれぞれの能力を思う存分に発揮し、活き活きと働けて、

なおかつ業績も伸びている組織って、日本にどのくらいあるんでしょうか。

 

「○○は俺の会社だ!」と言っちゃった(口をすべらせた?)経営者を見聞きし、

昔働いていた会社の社長がフラッシュバックで脳裏によぎったくらい、

こういう経営者ってまだまだ多いんだなぁと感じた今日この頃。

 

そりゃ、経営者からすれば、雇用者を食べさせていかないといけないし、

会社が破たんしないように、責務を一身に背負って、日々試行錯誤しながら経営しているんだ!

的な気概がありますよね。

それまでの苦労や努力や含蓄があって続けてきた創業何年という背景があるから、会社への思い入れも強くって。

だからと言って、スタッフに向かって「俺の/私の会社だから!」みたいなことを言うのは、どうかと思うんです。

スタッフあってこその会社じゃないですか。

勘違いしていない?

安い給料で従業員の時間を買ってる・・・って会社の労役ですか?

って感じるんですけどねぇ。

 

とくに、ソーシャルな活動をしている企業にいいたい。

目の前で誠心誠意、働いている人を大切にするのが、最優先じゃないの?って。

理念において、外に向かってソーシャルな「いいこと」を言っているにも関わらず、

身近な人をおざなりしていませんかー?って。

それってバレてますよー。

 

サウスウェスト航空の「従業員第一、顧客第二主義」なんて、素敵です。

サウスウエスト航空は、企業ポリシーとして「顧客第二主義」「従業員の満足(Employee Satisfaction)第一主義」を掲げる。これは、不確定要素の存在する顧客よりも、発展の原動力であり信頼できる人間関係を築き上げることが可能な社員を上位に位置づけているもので、「従業員を満足させることで、却って従業員自らが顧客に最高の満足を提供する」という経営哲学を追求している。また、サウスウエスト航空の基本理念をまとめた内容には「ざっくばらんに」「ありのままの自分で」「仕事を楽しもう」「自分のことに真剣になるな」というキーワードがあるが、元バーガーキングCEOのバリー・J・ギボンズは「楽に構えて仕事をしろと勧める基本理念は見たことがない」と評している。また、従業員に対しては失敗を恐れずに新しいことに挑戦することを推奨し、たとえ40万ドルの損失を会社に負わせたとしても、会社側では責任者に対しては降格や解雇などは行わず、あらゆる手段で当該従業員の信頼を回復することに努める。

(ウィキペディアより引用)

身近な人間を大切にしない人や会社なんて、信用できませーん。

 

 

前職で管理職の立場だったので、経営側の気持ちもある程度はわかるんです。

人は経営資源なので、そこが上手く機能しないと致命的。

だけど、スタッフの中にはぶらさがり志向の人がいたり、自分の立場を守るために手段を選ばない人がいたり。

その人たちは、自分さえよければいいので、組織のこととか、ミッションのこととか、

今後売上げをどう上げていこうかとか、残念なことにあまり真剣に考えていません。

これを私は緊急雇用の副作用でできるガンと呼んでいました。

じっくり雇用に時間をかけられないので、ビジョンを共有できないまま人を雇用してしまうんですよね。

それが、組織内のモチベーションの差になってしまいます。

 

そんな中でも、組織として追及したいビジョンに忠実なあまり、

時には顧客と議論になったり、経営者に物申したりする人もいるんです。

そういう人材こそ大切にしないといけないのに、利害やパワーバランスが絡みあうからか、

経営者は時として誠実者を裏切ります。

結果として、いい人材は離れていき、イエスマンだけが居残る。。。という構図を、嫌というほど見ました。

 

もし、組織に属する人が、みな自立して依存せず、上下関係のないフラットな関係を築くことができて、

明確な役割分担のもと、主体的・柔軟に働くことができたらどうだろう?

雇用関係を前提とせずに、プロジェクトベースで。

個人の裁量のもとに仕事をして、成果をあげていくことが理想じゃない?

組織のジレンマに悩み切っていた私は、そういうことを日々考えていました。

そして、いつか自分で組織を創ることがあったら、そうしたいなーと思って、一緒に働きたい人には声をかけています(笑)

こういう組織システムを「ホラクラシー」というそうです。

AirbnbやZapposが取り入れていて、成果を上げているとか。

日本でも取り入れている企業があり、このブログにわかりやすくまとまっています。

ホラクラシー型組織で8年経営してみた。

 

 

何でも自分で管理したがって、口出しや検閲をして、現場のモチベーションダウン・・・

なんてこと、ワンマン社長によくありがちです。

で、結果として、働く人の多くがイエスマンになる。「どうせ言っても聞いてもらえないし・・・」と。

日本人的な事なかれ主義もどうかと思うんですけどね。

ビジョンを徹底的に共有した上で、現場に権限移譲して、

「さあ、あとは自由にやってよ!いざというときは最後の責任は自分がとるからさ!」

ってくらい器の大きい経営者が増えたら、働くことがもっと面白くなるのになぁ。

「組織のみんなであの山に登ろう。登り方はみんな自由!じゃ、また現地で!」

とか言って、手段は個人の裁量にまかせると、いかに登り方を工夫しよう?とか、クリエイティブさも増すと思うし、

可能性も膨らむと思うんだけどなぁ。。。

少なくとも、顔色をうかがったり、かけひきしたり、変な精神的コストは減るかと思う。

 

「俺の/私の会社!」って言ってコントロールしようとしてしまう経営者って、結局は人を信頼していないか、

もしくは承認欲求が強くて、自分を認めてほしいのか。。。と感じてしまいます。

従業員がみんな起業家のように行動し、アイデアを自由に試しながら、協業・共創して働く。

そんな組織が増えるといいなと思いつつ、敵が増えそうなエントリなので、今日はこの辺で。

Photo by AngieSix

Photo by Göran Höglund (Kartläsarn)