生きている実感。

この子は死ぬために生まれてきたんじゃない。

 

久々すぎる更新を、小児病棟からお届けします。

息つく暇もなくバタバタとした日々で、もう6月。

2週間ほどほど前に、息子の容態が急変しました。

1か月の入院生活を経て、退院したばかりなのに。

ふたたび病院に行き、そのまま入院。

みるみる呼吸不全と心不全に陥り、ICUへ搬送。

その時、心拍数は190を超えていました。

そのまま緊急で心臓の応急手術を行い、一命を取り留めました。

ICUにいた10日間は、気をしっかり持っていないと心が折れそうな毎日。

私の命をいくら削ってもいいから、どうか生きていてほしい、と

神や仏や森羅万象に何度も何度も祈りました。

でも不思議と、生きている実感に心底近づくことができた日々でした。

 

風の吹き抜けを頬で感じること

ゆれる緑の梢の間から光を浴びること

清浄な空気を感じながら深呼吸をすること

 

そうすることで、過去の経緯に基づく心配も、未来への不安も消える。

生きている今を実感できる。

今、私も子どもも生きていて、同じように存在できているこの瞬間が、何よりも幸せなことだと感じて、心が満たされる。

人間というのは、「当たり前」に慣れてしまうと、余計なものをたくさん背負いこんでしまうのかも。

本当はもっとシンプルでいいはずなのに。

 

今はICUから出て、入院継続中です。

検査の結果、息子は20万人に1人という非常に珍しい心疾患をもっていることがわかり、命がけの手術をひかえています。

「この子が持っている他の先天性疾患の発症率とかけ合わせていったら、このような子は日本に1人いるかいないか…」

という話もあり、塞ぎ込みたい気持ちになることもありますが、日々を大切に、笑顔で過ごしています。

 

同情も慰めも、正直なところ、いらない。

ありがたいことに、周りはみんな子どもの生きる力を信じて応援してくれます。

言い表せないくらいに、すごく力になり、励まされています。

本当にありがとう。

 

病気が珍しすぎて、ググっても症例とか予後とか、欲しい情報が得られないんです。

きっと、同じような人が、日本のどこかにいるはず。

だから、私の経験したことや持っている情報は、すべてシェアして行きたいと思っています。

今、目の前でニコニコ、バタバタしていることが奇跡だと感じつつ。